MISOJI備忘録

三十路がアクセス数とか気にせず語る場所

PS4『ペルソナ5』レビュー 「らしさを貫くことはIPを消耗させないこと」

ゲーマーとして今年とても気になっていることがある。それは『FF15』と『ペルソナ5』はどちらが勝つか?ということ。売上の話ではない、プレイヤーの心を高め揺さぶった名作になるのはどちらかという話だ。

さて、先陣を切ったPS4版『ペルソナ5』をプレイ。私のクリアタイムは97時間、ボリュームはもちろんシナリオなども含め非常に満足度の高い1本になった。

f:id:ysykysyk:20161001003613p:plain


ゲームデザイン
基本は『ペルソナ3』『ペルソナ4』と変わっていないがビジュアル面は圧倒的に変わり、短いロード画面などもこだわりに溢れている。バトル時の操作性についてもスッキリしていて、メニューから「攻撃」「スキル」を選んで◯ボタン→シャドウ選択でなく、シャドウを選択して◯は攻撃△はスキルなど直感的になっている。
本作を形容するにあって「スタイリッシュ」という言葉がよく使われるが、このようなデザイン性の高い作品は海外含めても極めて稀といっていいと思う。


PSVitaペルソナ4 ザ・ゴールデン』f:id:ysykysyk:20160923110745p:plain
PS3/PS4『ペルソナ5f:id:ysykysyk:20160923110244p:plain


■シナリオ
怪盗団となって悪党の精神世界に入って改心させる、いわゆる「世直し」がテーマ。主人公が逮捕されるところから始まり、回想しながら物語は進む。回想が終わると物語は大きく動き、プレイヤーをも騙しにかかるシナリオ展開と悪の元凶の正体まで終盤は一気にダークに盛り上がる。
本作は連続殺人事件という普遍的なテーマで展開した『ペルソナ4』と違って現代の空気感が顕著に表れていることが特徴だろう。号泣会見、政界進出を目論むブラック企業社長、そして一瞬で正義を悪へと手のひら返しする民衆…東京という舞台がさらにプレイヤーにリアリティを与える。現代の日本人にド直球なシナリオという点でも本作のオリジナリティは非常に高い。

■BGM
目黒将司によるサウンドはこのシリーズの象徴的存在。怪盗に合わせてクールな曲が多くこのあたりはプレイヤーによっては好みが分かれるところだろう。ボス戦では目黒節全快のリードギターが冴えるロックを用意するあたりはさすがだが、全体的にバリエーションが少ない点は残念。

■『ペルソナ5』が成し得たこと
オープンワールドやシームレスなど下手なことはせず自分たちらしさを貫いた
・安易に新作をリリースせず、TVアニメやスピンオフの展開でIPを消耗させなかった
・PS4の値下げやFF15の延期といった外部要因はあれど、和ゲーが売上を落としていくなかでも、シリーズ最高の初動売上を達成した

p-ch.jp

 

システムやキャラクター配置などを考慮すると、次回作の全体的な方向変換は必須だろうと思う。本作もアニメやスピンオフなどの展開は視野に入っているはずだし、充分に練りに練ってまた私達を楽しませてほしい。

最近の『スカイリム』や『ウィッチャー3』のようにオープンワールドで自由にシナリオを進めることができる海外産RPGと区別するため、日本産の決められたシナリオとキャラクターで追体験させるRPGJRPGと定義されるようになったが、『FF15』がオープンワールドとアクションにシフトして世界基準を目指していることとは対象的に『ペルソナ5』はこれまで同様にJRPGのスタイルを継承。つまり、両作とも大枠では「JRPGの年の2大注目作」であるが中身や方向性は全く異なり、結果どちらが評価されるかはJRPGの今後の在り方をも占うことになりそうだ。
さあ、今度は『FF15』がどう出るのか楽しみに待とう。