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2016年4月クール 連続ドラマメモ

テレビドラマウオッチャーとして、個人的な記録を兼ねて2016年4月クールの連続ドラマの総括をしておきたいと思います。

前クールはこちら

ysykysyk.hatenablog.com


全話鑑賞
『99.9』『ゆとりですがなにか』『ラヴソング』『重版出来!』『僕のヤバイ妻』『世界一難しい恋』『グッドパートナー』『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』『不機嫌な果実』『コントレール~罪と恋~』『トットてれび

途中リタイア
『OUR HOUSE』『お迎えデス。』『火の粉』

1話リタイア(カス)
『ナイトヒーローNAOTO』『早子先生、結婚するって本当ですか?』


■最優秀作品

重版出来!

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凡作率が高かったTBS火10を全話鑑賞したのは今回が初、試行錯誤の結果がちゃんと製作に反映されているのはさすがTBSです。黒木華の観てて気持ちよくなる明るさとまっすぐさがとにかく◯、「主人公に好感が持てるドラマ」は良い連続ドラマの基本中の基本です。
編集と漫画家だけの関係に留めず、出版社の営業や新人漫画家・アシスタントにまで様々なバックグラウンドとストーリーを展開させたこと、それらが最終回に集約されて感動的な大団円となりました。

 


■その他の作品について

 『ゆとりですがなにか』

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日テレのクドカン作品が連ドラで展開するのは『ぼくの魔法使い』('03)以来。最初は爆発的なコメディでもないし今さらゆとりを連呼する違和感こそあったものの、新人でもなくキャリアがあるわけでもない最も社会人として立ち位置が微妙になりがちな20代後半の苦悩がおもしろく時にシリアスに描かれていました。
仕事、恋愛・結婚、家族との距離感、20代後半特有の現実感に私はある意味現代版『愛という名の下に』的なものを受け取りました。ライトな宮藤官九郎の脚本とシリアスな水田伸生の演出、双方の良さが初めて溶け合ったんじゃないでしょうか。

 

『グッドパートナー 無敵の弁護士』

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『DOCTORS』のスタッフによる新作は意外とありそうでなかった企業法務の弁護士ドラマでした。私がこの作品を気に入った一番の理由は「これさえ証明できれば勝てる」という一点突破のシナリオです。殺人などの刑事事件を扱った弁護士ドラマが割と伏線だらけの推理ドラマになりがちなように、従来の弁護士ドラマとは明確に差別化されています。咲坂(竹野内豊)の適度にゆるいキャラも人間味があり◯、こちらもぜひシリーズ化してほしいですね。


『99.9―刑事専門弁護士―』

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刑事事件の弁護士ドラマは多数ありますが、ドラマのTBSを証明するかのようなノウハウが詰め込まれています。木村ひさしの演出はしつこさをできるだけ抑えてテンポよくシナリオを活かすことを優先(過剰な回があったのは気に入りません)、深山(松本潤)のキャラは掴みづらくとも香川照之が絵的にもシナリオ的にもしっかり作品を締める。
よく練られている作品であり、目新しさこそないものの今クールのNo.1ヒットドラマとなったのはまさにTBSの手腕とマーケティングの結果といえるでしょう。 

 

『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』

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中谷美紀もイタい独身アラフォー女を演じるまでになったのかと少しシミジミ。塚原あゆ子独特の映像美のある演出に、『anan』なんかより具体的で面白い男性目線の恋愛ハウツーを混ぜ込んだ新しいタイプのラブコメとして成立。相変わらずベタな恋愛ドラマを製作しているフジテレビはもう少しTBSのこういう先進的な姿勢を見習うべきでしょう。


『世界一難しい恋』

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社長とは思えない器の小ささと中学生レベルの恋愛経験のギャップに大野智ファンは満足でしょう。また、波留の起用は日テレのお手柄なものの『あさが来た』の毅然とした強い女性イメージが残った直後としてはキャラが弱くちょっとクールすぎ、むしろW主演くらいのシナリオ展開がほしかったところ。
加えてホテル業界のビジネス要素が皆無だったことも×、その前に社長働いてなさすぎw


トットてれび

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本作は『あまちゃん』のスタッフが手掛けています。黒柳徹子がどうテレビで生き、昭和のスターたちとどう出会いどう別れていったのか、満島ひかりをはじめとした濃いキャストを次々登場して1話30分に濃縮したテンションの高さはなかなかのものでした。ただし全7話ではさすがにちょっとボリューム不足、いつかキャストは変更になろうともこの題材が朝ドラになる日がくるのでしょうかね。


■なぜ作ったこの1本×3
『OUR HOUSE』

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TBS日9にコテンパンにやられたのにまた日9にドラマ枠を作ったこと、これまで散々「過去の栄光にすがりすぎ」と批判されてきたのに脚本:野島伸司・演出:永山耕三の『ひとつ屋根の下』コンビを起用したこと、この2点で企画段階から終わってました。
それでも中身が良ければよかったんですが、確かに最近ドラマではみないタイプの明るいホームドラマだし、芦田愛菜の演技は引き込まれる。ただどうしても家族の誰にでも辛すぎる桜子(芦田愛菜に違和感しか覚えないし、アリス(シャーロット・ケイト・フォックス)にも特に好感が持てるポイントがないことが決定的にNGです。


『早子先生、結婚するって本当ですか?』

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いろいろ話題になった『OUR HOUSE』とは異なり、あまりに地味すぎて話題にもなりませんでした。今クールの恋愛・婚活ドラマだと、『セカムズ』『私 結婚できないんじゃなくて…』と比べてもキャストや小学校を舞台とした内容、観る気をなくすやたら暗いナレーション、ラブコメとして突き抜けた要素もなく、明らかに「地味」の一言。
監督は『Drコトー』の中江功ですが、この人はシリアス系作品のほうが合ってますね。丁寧な演出が逆に地味さを助長しているように思います。

『ラヴソング』

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期待値との落差という点では今クールダントツのクソドラマでした。音楽を通じたヒューマンドラマで推すべき内容だし、木10で本格的な音楽ドラマにしたほうがもっと見応えがあったでしょう。未視聴者がこぞって本作を恋愛ドラマだと思っていたことからもマーケティングに失敗した事例です。
イマイチ何がしたいのかわからない神代(福山雅治)、リアリティ欠如の古典的シナリオ、さくらを癌にするクソ展開、主題歌の宣伝にしかなってない最終回、全てが痛すぎてフジテレビの現状をそのまま反映したような1本でした。私はゴリ推しだろうがなんだろうが内容が良ければいいと思います、しかしここまでボロボロだと擁護のしようがありません。


■総評
前クールでは珍しく良作を複数送り込んだフジが早くもスタミナ切れか、悲しいほどにクソドラマを連発。逆に他局がそれぞれ『重版出来!』『グッドパートナー』『ゆとり』という良作、数字面では『99.9』『セカムズ』が結果を残したため余計にフジのダメさが際立つクールになってしまいました。もう落ちるとこまで落ちてみてはどうでしょうか(そこに希望が残っているかはわかりませんが)。
今クールは文句なしでTBSの圧勝、火10まで良作を送り出されたらもうどの局も敵わない、プロ野球でいうならソフトバンク状態です。さて夏クール、今年はオリンピックも重なり各局力を抜きそうなところですが個人的にはTBS日9『仰げば尊し』は絶対的に期待します。

 

2016年4月クール 良作ランキング
1位 『重版出来!
2位 『ゆとりですがなにか』
3位 『グッドパートナー 最強の弁護士』