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MISOJI備忘録

三十路がアクセス数とか気にせず語る場所

【まとめ】2016年1月クール テレビドラマメモ

テレビドラマウオッチャーとして、個人的な記録を兼ねて2016年1月クールの連続ドラマの総括をしておきたいと思います。
 
前クールはこちら
 
全話鑑賞
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『お義父さんと呼ばせて』
『悪党たちは千里を走る』『フラジャイル』『スペシャリスト』
『ナオミとカナコ』『わたしを離さないで』『東京センチメンタル』『怪盗 山猫』
 
途中リタイア
『家族ノカタチ』『スミカスミレ』『ダメな私に恋してください』
 
1話リタイア(カス)
『火村英生の推理』『ヒガンバナ
 
 
■最優秀作品
いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう

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『Mother』以降の坂元裕二が月9にどのような作品をもたらすのか注目の1本でした。私は20代の若者たちの恋愛群像劇という点ではこの作品は「トレンディドラマ」だと思います。ただし、音(有村架純)と練(高良健吾)の家庭環境は置いておいても、ブラックな職場で夢を追っているわけでもなく乾いた人間関係で溢れた東京で生きる、『失恋ショコラティエ』や『恋仲』が成し得なかった「2010年代のリアルな空気感を反映した初のトレンディドラマ」です。
震災という2010年代の象徴的な出来事をキーに2部構成し、視聴者に空白の5年間を追わせるという手法はまさに”連続ドラマ”に適したシナリオだったと思います。

 
■その他の作品について
『ナオミとカナコ』

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「夫殺し」、演じるのは田中美佐子でも大竹しのぶでもなく広末涼子内田有紀、この時点で超楽しみだった1本です。主演2人を食いにかかる強烈なキャラクターを持った吉田羊高畑淳子などあらゆる面で期待以上の作品になりました。
素人らしい殺人計画がどこからどう綻がうまれてどう追い込まれるのか、犯人側のクライムサスペンスはここが見所です。盗聴器はちょっと面白くありませんでしたが、バレるまでの過程・逃亡、終盤の盛り上がり方は◎。ちなみに逃げ切れたのか捕まったのかが明確に描かれなかったのでネット上では不満の声が多数ありましたが、各々の解釈でええやん(私は原作同様逃げ切ったと解釈)。

 
『お義父さんと呼ばせて』

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『HEAT』『戦う書店ガール』でさすがにマズいと思ったのか、しばらく迷走気味だった火10がようやく王道コメディに回帰した感があります。「ちょっとシュールで程よくB級」で笑わせてもらいました。暗いと言われた作品が多いなかで、ある意味では一際存在感を放っていたといえるでしょう。
遠藤憲一は『民王』をきっかけにコメディへの起用も増えると思っていましたが全然いけますね。思わぬ副産物は山崎育三郎、イケメンなのにイタくて面白いうえわざとらしさもないというおいしいキャラを獲得、今後どんどんいろんな作品へ顔を出していくでしょう。
 
 
スペシャリスト』

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飽和していた今クールの推理ドラマでも観れるレベルだったのはこれだけでした。10年服役して犯罪者の行動パターンは叩きこんだとしてもあの推理力はどう説明するんだというツッコミは置いといて、宅間(草なぎ剛)のちょっと淡々としすぎたキャラやその他のキャラの薄さはあと一歩という感じ。
シリーズはまだ続きそうですが、この手のドラマはサイバー犯罪やら爆弾やら毒ガスやらばかりですねー。他に見どころがないと観なくていいやとなってしまいますよほんと。
 

 『わたしを離さないで』

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昨今の連続ドラマでは避けられがちなシリアスさと空気感を伴った演出、ある意味このクールで最もチャレンジャブルな作品だったといっていいでしょう。臓器提供のためにクローンとして生まれた設定や学園の雰囲気など、映画版と比べても限りなくオリジナルのまま舞台を日本にして連続ドラマ化しています。
ただ、『いつ恋』と比べるとわかりやすいのが連続ドラマに適したシナリオ構成にはなっていなかった点で、鈴木梨央ちゃんが実質主演の幼少期が2話まで続いたり、途中の抑揚が少ないまま終盤まで来てしまった感は否めません。「終了」という悲しい結末を背負った人間たちのドラマなので、もう少し激しさがあってもよかったと思うんですけどね。


『怪盗 山猫』

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私の中では「幼稚なジャニ枠」の日テレ土9で久しぶりに全話鑑賞しました。クールキャラ一辺倒だった亀梨和也に三枚目をやらせたこと、周囲のキャラクターも豪華なうえしっかりしていたことがまず良かったと思います。加えて適度なコミカルさと松本晃彦のBGM、テンポが良くてこれだけの要素があれば及第点いけちゃうもんですね。
俳優としては実績の少ない亀梨和也、とりあえず『セカンド・ラブ』の黒歴史はひとまず返上でしょうか。
 
 
 『フラジャイル』

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医療ドラマのテンプレが外科系であるなかで、病理を舞台に医療・推理・ヒューマンドラマの要素をうまく融合させた良作でした。同じくテンプレ外でも微妙だった『Dr.倫太郎』と比べると、コミック原作の強みが出たと思います。武井咲はこういう立ち位置のほうがやはり光りますね、無駄なゴリ押し主演はやめましょう。
最後までカラーを打ち出せないまま日テレ水10に負け続けたフジ水10、これにて打ち切り。
 
 
 ■なぜ作ったこの1本
ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜』

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堀北真希とDAIGOという話題的にも申し分ないキャストを揃えながらこの程度の内容では肩透かしもいいところです。特殊能力を使うぶん推理ものとしても弱く、厨二くさいクールさゆえにキャラクターものとしても弱く、正直何を見所にすればいいかわかりませんでした。
日テレ水10は4月クールが大野智主演だったりとこれまでのカラーを変える動きがあり、本作もそういう流れがあったのかもしれませんがまずは面白くて役者が活きるものを作りましょう。


■総評
冬クールのドラマは空気感や季節感を反映させた作品が多い傾向がありますが、今回はまぁよくも揃ったなというほどに一般的にいうところの暗い・重い作品が多かったですね(作品を暗い重いで頭から避ける世の傾向はクソだと思いますけど)。ただし『いつ恋』『ナオミとカナコ』はドラマファンの期待に応えたと思いますし、『お義父さんと呼ばせて』を加えた3本が個人的には○でしたので数字は置いておいても「フジ、やるじゃん」というクールでした(私の元々の期待作は『いつ恋』『ナオミとカナコ』でしたので、結果的には想定内で収まっています)。

業界の動向に言及すると、フジ水10が終了することと来クールから日9が復活すること、そして昨年は鉄板枠だったTBS日9と日テレ水10の傾向が変わってきていること、負け枠だったTBS火10が『ダメ恋』から来クール黒木華主演の『重版出来!』といい流れが来ていること。これらに注目するとより楽しめるのではないでしょうか。