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【ネタバレ有】PS4『メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン』レビュー 「小島秀夫からファンへ最後のサプライズ」

MGS大ファンの私にとって本作『メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン』(以降『V』)は、他の新作ゲームとは全く意味が異なり、「本当に待ちに待った1本」です。記録を兼ねてレビューを残します。私のプレイ状況としては、『世界を売った男の真実』クリア、その後もらえるものも含めてカセットテープは一通り聞きました。プレイ時間はおそらく40時間程度かと思います。
 
 
PS3メタルギアソリッド4』(以降『MGS4』)とPSPメタルギアソリッド ピースウォーカー』(以降『PW』)は対を成す関係にあります。『MGS4』はストーリーを重視、『PW』はプレイヤーのやり込み要素を重視。小島秀夫はプレイヤーに自由度を与えつつ、クリア後も長くプレイ可能な『PW』のゲームデザインに手応えを感じたのでしょう。

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『V』は『PW』のデザインをベースにし、PSPタイトルゆえ不可能だった広大なエリア、しかもオープンワールドを用意することで『PW』から横にも縦にも進化させることに成功しました。
 
 
◼︎難易度
これまでの単独潜入任務感を継承したプレイ、『PW』からの軍隊を活用したプレイを見事に融合できています。

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メインミッションでもライトユーザーは確実に手こずるであろう高難易度なものもありますが、バディを変え、アイテムを変え、トライアンドエラーを繰り返すことでクリア可能なレベルにはなっているでしょう。
やり込んで武器やアイテムをよりいいものにするもよし、バディとの信頼度を上げて能力や装備をあげるもよし、「倒せないならレベルを上げろ」というRPG的感覚もわかりやすい。
 
 
◼︎ムービーゲーの回避という命題
『PW』では、キャラクター間のやりとりをカセットテープにして、プレイヤーに自由なタイミングで聞かせることでストーリーを補完していましたが、『V』でも同じ手法が採用されています。これもやはり可能な限りカットシーンを減らすためのアイデアではないかと思われます。

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カセットテープのなかには、燃える男や空中に浮く少年に関する解説やシナリオを補足するうえでの会話など重要なものが多数ありますので、ここを軽視してメインミッションだけひたすら進めるのはNGです。
カセットテープでストーリーを補完させることに反対という人も多いでしょうが、ではまた『MGS4』のようにムービーゲーになってもいいのかという問いにもおそらく反対するでしょう。プレイ中のほとんどの場面で聞くことができるメリットを活かして全項目聞いてみることを推奨します。
 
 
◼︎ストーリー
オープニングの前提を途中でフラグを立てながら最終的にひっくり返すという映画らしい手法です(ゲームだと『FF7』も近い)。私が本作のストーリーに求める要素の一つとして、メタルギアサーガの流れをある意味ひっくり返すようなストーリーを求めていたのでこの点については結構満足しています。

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表面だけ見れば、ヴェノム・スネークはビッグボスではなく、プロローグ『グラウンドゼロズ』でヘリに同乗していたメディックであり、もう1人のビッグボスとして生まれ変わったということになりますが、私は
「もう1人のビッグボスはプレイヤー自身だった」
というある意味ではファンへの感謝ともいえる結末だったとも解釈しました。これは小島秀夫からメタルギアシリーズにおける最後のファンへのサプライズであり、28年というシリーズの最後に相応しいオチであるとも言えるのではないでしょうか。
 
ただし、最終ミッション『世界を売った男の真実』にたどり着くまでのフラグ立ての弱さ、実質ラスボス(またはそれに準ずる展開)がいないこと、未収録ミッション『蠅の王国』の内容を考慮すると、ゲームとしてもドラマとしても不十分な要素が多いことは否めません。元々本作でやろうとしてたことは完全にはできていないであろうことは容易に想像できます。
 
 
◼︎さらばメタルギア
コナミの方針変更からも、完全版をリリースする可能性は極めて低く、このままメタルギアシリーズが事実上完結してしまうことは残念です。
しかし私はコアゲーマーとして、メタルギアシリーズに意固地になるつもりは全くありません。過去の作品にこだわって崩壊するくらいなら新しい作品で新しい驚きと感動を与えてほしい。これはゲームだけでなく、エンターテインメント全般に対しての私の持論です。
 
本作発売直前、52歳を迎えた小島秀夫Twitterにて生涯現役を宣言しました。
そう遠くない未来に、小島秀夫をはじめとした小島プロダクションの面々が独立し、海外資本で新しい納得のいく作品を創り、私たちにメタルギアとは全く異なる驚きと感動を与えてくれることを期待します。いや、これは小島秀夫に与えられた新しいミッションです。新しい舞台と作品でリベンジしてください。
 
 
◼︎総評
【良い点】
・圧倒的ボリュームと広大なフィールド
・『PW』を継承したやり込み要素
・グラフィック、操作性など洋ゲーと遜色ないクオリティ
・シリーズの繋がりを確認できるシナリオ(カセットテープの視聴必須)
FOBメタルギアオンラインでオンライン要素も充実
 
【悪い点】
・唐突に最終ミッションが表れる展開
・明らかに追加されていないシナリオがある不十分性
・クワイエットを離脱させた場合、連れ戻すことができない(回避策はあるが取り戻せない)
・従来のMGSらしいドラマティックなカットシーンが少ないこと