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2014年テレビドラマランキング

今年もテレビドラマファンの私が、2014年の名作連続ドラマランキングを作成してみました。ちなみに昨年のランキングはこちらから。

 

10位 アリスの棘
(TBS/主演:上野樹里/脚本:髙橋麻紀ほか/演出:塚原あゆ子ほか)

父親を殺した医者たちに復讐するため、自ら医者となって病院に潜入し、次々に社会的抹殺をしていきます。そのスリリングさと上野樹里の美しさが非常にマッチしていました。
ただしあれだけ自分の存在をバラしながらも復讐がなぜか継続できたり、何年もの間、壁一面に関資料を貼り付けて徹底した調査っぷりを見せながらも身近な黒幕の存在に全く気が付かないなど、「ん?」となるツッコミどころも。

 

9位 昼顔~平日午後3時の恋人たち~
(フジ/主演:上戸彩/脚本:井上由美子/演出:西谷弘ほか)

「昼顔妻」が流行語となり、不倫ブームを加熱。
西谷弘を中心とした演出も良く、菅野祐悟のBGMもハマってましたが、個人的には賛否を呼んだ結末は物足りませんでした。不倫を肯定するような結末を避けたのか、シリーズ化の余地を残したのかはわかりませんが、中井貴一の『Age35』なんて最終的に不倫相手と結ばれてますからね。それくらいの意外性はほしかったのでちょっとガッカリ。


8位 HERO
(フジ/主演:木村拓哉/脚本:福田靖/演出:鈴木雅之ほか)

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フジは復権を狙うため、キムタクは『安堂ロイド』の痛手をカバーするため、ついに『HERO』が復活しました。福田靖の脚本は相変わらずさすがで、テイストを全く変えない方針を貫いた演出に関しても文句なしといったところです。
この手のチーム系作品はキャラが立ってなんぼのところがありますが、新メンバー陣に前作までの個性があったかというと…埋められない差という感じは否めませんでした。例によって映画化も決定。

7位 ドクターX ~外科医・大門未知子~
(テレ朝/主演:米倉涼子/脚本:中園ミホほか/演出:田村直己ほか)


相変わらずの内容ですが、同じく相変わらずの『医龍』との明確な違いはやはり大門未知子の見てて気持ちのいいぶれないキャラクターに尽きるでしょう。
主要キャラクターが入れ替わったり、野々村議員のパロディなどバカ演出も取り入れ、飽きない工夫がされていました。
ただし、身内を手術するようになりだすともうネタ切れのサイン。第4シリーズを始動させるのなら充分な準備をいただきたいところです。


6位 家族狩り
(TBS/主演:松雪泰子/原作:天童荒太/脚本:大石静/演出:坪井敏雄ほか)

一家心中に見せた連続殺人事件の謎を追ったサスペンスドラマです。
途中まで主人公が犯人かのように思わせる展開が続くのでそこばかり追ってしまいがちですが、幼児虐待やひきこもりなどの家族のなかにある闇がしっかり描かれていたり、伊藤淳史らのコミカルな描写がうまく導入されていたりと実にバランスの面白い作品だったと思います。
andropの主題歌や色彩を強調したテレビドラマではあまり見ない画質は、シリアスなシナリオとのギャップに美しさを添えていて、非常にインパクトがありました。


5位 アオイホノオ
(テレ東/主演:柳楽優弥/原作:島本和彦/脚本・演出:福田雄一


バカドラマ量産機・福田雄一、そのサブカル性と原作がかっちりハマった感がありました。ただでさえわかりやすい演出で笑わせにくる福田雄一のカラーをベースに、島本和彦庵野秀明岡田斗司夫らのヒストリーまで楽しめてしまうという非常においしい作品でした。
また、岡田斗司夫本人が解説を加えたりと関連ネタが定期的に投下され、放送期間中はネット界隈で盛り上がりを見せていました。


4位 失恋ショコラティエ
(フジ/主演:松本潤石原さとみ/原作:水城せとな/脚本:安達奈緒子ほか/演出:松山博昭ほか)


石原さとみの小悪魔っぷりがついに爆発。スイーツや片思いをベースにした原作に、若手キャスト陣とエレクトロなBGMがかみ合い、10代~20代の女性のハートを全力でわしづかみにかかっていて、明確なコンセプトがありました。
特に音楽を担当したKen Araiは、後にアニメ版『寄生獣』を担当しており、さらにこれから活躍の場が増えていくと思われます。


3位 ルーズヴェルト・ゲーム
(TBS/主演:唐沢寿明/原作:池井戸潤/脚本:八津弘幸ほか/演出:福澤克雄ほか)


半沢直樹』の二匹目のドジョウを狙った池井戸潤作品。キャストも被っていたりと露骨な部分はあったものの、社会人野球と事業の2面から会社の逆転劇をアツく楽しめる作品であったことは間違いありません。
原作は特定の主人公がいないらしく、そのため序盤は冷酷だった細川社長に同調しにくい点があったことがスタートダッシュできなかった理由ではないかと解釈しています。また、福澤克雄が演出した回がもっと多ければまた違った印象になったかもしれない点では少し心残りなところです。


2位 ごめんね青春!
(TBS/主演:錦戸亮満島ひかり/脚本:宮藤官九郎/演出:山室大輔ほか)

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ネタ連発でガンガン笑わせくれるのはいつものこととして、このドラマ自体が男子校と女子校の合併、主人公の過去の過ち、予想不可の恋愛模様、校長のFM番組などの要素がしっかり絡み合っているシナリオ構成には舌を巻きました。
ニュースのドラマ記事に「ジャニーズとAKBはダメだな」と観てもいないのにテンプレコメントしか書けないような人こそまさに観てほしいドラマです。

1位 Nのために
(TBS/主演:榮倉奈々/原作:湊かなえ/脚本:奥寺佐渡子/演出:塚原あゆ子ほか)

2004年のクリスマスイヴに起きた殺人事件、現場に居合わせた人物たちの関係を1999年から追いかけ、2014年の現在からも辿りながら事件の真相を描いたドラマです。
主要人物たちの過酷なバックボーンをじっくり描きながら、少しずつ少しずつパスルのピースが揃っていくうちに、「Nのために」というタイトルの意味がわかっていくという構成が秀逸でした。
原作は2004年の時間軸がメインに描かれているらしく、1999年や2014年のエピソードはほとんどドラマオリジナルの要素のようです。ともなればこの脚本は原作超えしているのではないかと。



【総評】
今年のテレビドラマで顕著だったのは、TBSのミステリー・サスペンス作品の良作率の高さです。特に金10は4月からミステリー・サスペンス系にシフトして『アリスの棘』『家族狩り』『Nのために』を送り出し、個人的には最も打率の高い枠となりました。
また、TBSはそもそも月8に「月曜ミステリーシアター」があり、今年は『隠蔽捜査』『ペテロの葬列』といった良作がありました。その他映画化も決定した『MOZU』まで含めると、TBSの力の入れっぷりがわかると思います。
数字的にヒットするのはこれまで福澤克雄(『華麗なる一族』『半沢直樹』など)や平川雄一朗(『ROOKIES』『JIN-仁-』など)の監督作品でしたが、今後この路線から大ヒットが誕生する可能性はあると思います。


一方、フジは2015年1月クールでついに続編がなくなります。2013年~2014年2年間は各クール1タイトル以上の続編を送り込んでいましたのでいかに過去のタイトルに依存してきたのかがわかるでしょう。
自分のカラーをプッシュしてきたTBSと、過去のタイトルに依存していたフジの差は今年は本当に決定的だったといわざるをえません。

ニュースのせいで相変わらずドラマの面白さと視聴率に密接な関係があるような風潮がありますが、本当にドラマが好きな人達はそんなことは関係なくただただ良い作品を求めてドラマを観ています。数字に残る作品と記憶に残る作品は必ずしも一致するわけではないのです。
来年もまた素晴らしい作品に出会えますように。