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PS4『バイオハザード7』レビュー 「カプコンが選択した横進化の妥当性」

バイオハザード』シリーズの最新ナンバリングタイトルがついに発売。なんといっても本作は『バイオハザード4』でTPSへシフトした後、2度目のシフトでFPSの本格的なホラーゲームになったことが最大の特徴である。
正直な感想としてはかなり満足度は高く、10時間というプレイ時間でも決して短いとは感じない、非常に濃厚で実のある体験だった(PSVRは未使用)。

 

主観視点へのシフトは昨今のホラーゲームのトレンドを考慮すれば必然だった。『OUTLAST』(2013)や小島秀夫コナミ在籍時に手掛けるもキャンセルとなった『SILENT HILLS』のティザーゲーム『P.T』(2014)など、今や世界基準のホラーゲームは主観視点でより恐怖をプレイヤーに体感させるものが主流であり、『バイオハザード6』後にプレイヤーから多数の「ホラーに戻してほしい」という要望を実現した開発チームは英断を下したといえる。

www.4gamer.net

>「6」はシリーズのドリームチームといったタイトルで,ファンの方に喜んでいただいた一方で,「サバイバルホラーが遊びたい」という声も多くありました。だったら,次はホラーに振り切ってもいいだろうと。

バイオ7は「横の進化」である

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TPS路線を継続しても開発チームが『ラストオブアス』を超えるゲームはまず作れないし、下手したら『MGS5』『FF15』と同じようにオープンワールドなんて縦の進化を展開していた可能性すらあったわけで、そこでのこのフルモデルチェンジはどちらかというなら横の進化だ。最初の体験版では探索のみの要素だったものの、本編ではガンシューティング要素もしっかり含まれている。敵に掴まれたり、囲まれたり、追いかけられたりの恐怖はFPSの賜物、まさにこれぞ「サバイバルホラー」への帰還といっていい。

 

バイオ1を踏襲した原点回帰
本作はホラーへの原点回帰というテーマがある。ゲームデザインの変更により「こんなのバイオじゃない」という意見もあるようだが、実際プレイすると『バイオ1』との共通点が多数あることに気づいたプレイヤーは多いはずだ。

・広大な屋敷が舞台
・複数の鍵を使い分ける迷路性
・アイテム管理が攻略のカギ
・アイテムボックスとセーブポイント
・助ける人物で変化するエンディング
・ラストシーンはヘリコプター などなど

アイテム管理という点では、アイテム合成で大きく「回復薬を選ぶ」か「銃の弾を選ぶ」かの選択は面白い。例えば『ラストオブアス』(及び『ラストオブアス』の影響をモロに受けていた『バイオハザード リベレーションズ2』)のアイテム合成は主に回復か火炎瓶などのサブウェポンであり、メインウェポンの弾という選択肢はなかった。
この先の展開に応じてこの選択は大きく影響するため、初見ではほぼ全てのプレイヤーが悩む箇所があったはず。

 

◾️敵キャラ別にホラーのジャンルを使い分ける奇策

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本作の敵となるベイカー家、父親・ジャックには恐怖の追跡者を、母親・マーガレットには虫を操るグロいクリーチャーを、長男・ルーカスには死のゲームを繰り広げる猟奇殺人鬼を、キーとなる少女・エヴリンには霊を結びつけてシナリオを展開させ、チャプター毎にカラーが異なるためプレイヤーを飽きさせない構成は◯。
ただし、ルーカスとのバトルがないのはちょっと残念。

 
■今後のシリーズ展開について
既に発表されている『バイオハザード2』のリメイクはどうなるか不明だが、先述したようにホラーゲームのトレンドが主観視点である以上、この路線は継続されるだろう。しかもガンシューティングのノウハウがあるカプコンにとってはアドバンテージがある。ただしEAやUBIのようなトップメーカーが同類のサバイバルホラーに参入するならば、シリーズの今後の展開には大きな不安要素となる。カプコンが恐れているのはおそらくこれだ。


■総評
【良い点】
 ・サバイバルホラーへの帰還、初見プレイはどっぷり恐怖に浸れ
 ・バイオらしさを失わなかった「横進化」
 ・今世代FPSホラーゲーム初の大型タイトルに相応しい超濃厚体験
【悪い点】
 ・本編にリプレイ性が乏しい
 ・ザコ敵のバリエーションが少ない
 ・主観視点に不慣れなユーザーは恐怖の前に酔いとの戦い