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MISOJI備忘録

三十路がアクセス数とか気にせず語る場所

2016年テレビドラマランキング

2016年の名作連続ドラマランキングを作成してみました。ちなみに昨年のランキングはこちらから。

ysykysyk.hatenablog.com


10位 スニッファー 嗅覚捜査官
NHK/主演:阿部寛/脚本:林宏司ほか/演出:堀切園健太郎ほか)

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阿部寛香川照之の演技バトルはまさに至福の時間。スゥーーンとクドい顔で臭いを嗅ぎ、無神経でシュールな華岡のキャラクターを演じさせるなら阿部寛一択だと思います。
キャストの存在感、扱うテーマやシチュエーションの幅広さと視聴者も謎を追えるシナリオ構成で考えると見事に同クール放送の『IQ246』に欠けていたものが詰まっており、個人的にはこちらに軍配。第2シリーズお待ちしております。


9位 グッドパートナー 無敵の弁護士
(テレ朝/主演:竹野内豊松雪泰子/脚本:福田靖/演出:本橋圭太ほか)

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『DOCTORS』のスタッフによる新作は意外とありそうでなかった企業法務の弁護士ドラマでした。私がこの作品を気に入った一番の理由は「これさえ証明できれば勝てる」という一点突破のシナリオです。殺人などの刑事事件を扱った弁護士ドラマが割と伏線だらけの推理ドラマになりがちなように、従来の弁護士ドラマとは明確に差別化されています。咲坂(竹野内豊)の適度にゆるいキャラも人間味があり◯、第2シリーズお待ちしております。


8位 仰げば尊し
(TBS/主演:寺尾聰/脚本:いずみ吉紘ほか/演出:平川雄一朗ほか)


吹奏楽版ルーキーズ」とやや安易に括られてしまったものの、後半は癌を患った先生と全国を目指す生徒たちの絆を描いた青春ど真ん中の学園ドラマになりました。寺尾聰の熱血キャラ、生徒陣の面白いキャスティング、丁寧な演出がベタなストーリーをカバー。
ガチ演奏してくれたらもっと感動できるのにと思っていたところにラストの「仰げば尊し」のガチ演奏はとても良かったと思います。



7位 ゆとりですがなにか
(日テレ/主演:岡田将生松坂桃李柳楽優弥/脚本:宮藤官九郎/演出:水田伸生ほか)

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日テレのクドカン作品が連ドラで展開するのは『ぼくの魔法使い』('03)以来。最初は爆発的なコメディでもないし今さらゆとりを連呼する違和感こそあったものの、新人でもなくキャリアがあるわけでもない最も社会人として立ち位置が微妙になりがちな20代後半の苦悩がおもしろく時にシリアスに描かれていました。
仕事、恋愛・結婚、家族との距離感、20代後半特有の現実感に私はある意味現代版『愛という名の下に』的なものを受け取りました。ライトな宮藤官九郎の脚本とシリアスな水田伸生の演出、双方の良さが初めて溶け合ったんじゃないでしょうか。


6位 ナオミとカナコ 
(フジ/主演:広末涼子内田有紀/原作:奥田英朗/脚本:浜田秀哉/演出:金井紘ほか)

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「夫殺し」、演じるのは田中美佐子でも大竹しのぶでもなく広末涼子内田有紀、この時点で超楽しみだった1本です。主演2人を食いにかかる強烈なキャラクターを持った吉田羊と高畑淳子などあらゆる面で期待以上の作品になりました。
素人らしい殺人計画がどこからどう綻がうまれてどう追い込まれるのか、犯人側のクライムサスペンスはここが見所です。盗聴器はちょっと面白くありませんでしたが、バレるまでの過程・逃亡、終盤の盛り上がり方は◎。



5位 とと姉ちゃん
NHK/主演:高畑充希/脚本:西田征史/演出:大原拓ほか)
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暮しの手帖」の創刊者をモデルにした朝ドラでした。商品テストを通じて消費者を舐めた企業に対する批判を描いたあたりにはそのまま現代に通じる風刺がされていたり、恋人との切ない別れがあったりと、個人的には『あさが来た』に比べると適度にドラマティックな内容が含まれていて最後まで飽きずに楽しむことができました。
高畑充希はもちろん、特に鞠子役の相楽樹がこれからどう活躍していくのかは非常に興味があります。


 

4位 いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう
(フジ/主演:有村架純高良健吾/脚本:坂元裕二/演出:並木道子ほか)

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20代の若者たちの恋愛群像劇という点ではこの作品は「トレンディドラマ」だと思います。ただし、音(有村架純)と練(高良健吾)の家庭環境は置いておいても、ブラックな職場で夢を追っているわけでもなく乾いた人間関係で溢れた東京で生きる、『失恋ショコラティエ』や『恋仲』が成し得なかった「2010年代のリアルな空気感を反映した初のトレンディドラマ」です。
震災という2010年代の象徴的な出来事をキーに2部構成し、視聴者に空白の5年間を追わせるという手法はまさに”連続ドラマ”に適したシナリオでした。



3位 勇者ヨシヒコと導かれし七人
(テレ東/主演:山田孝之/脚本・演出:福田雄一


普通第3シリーズまでくるとマンネリするものですが、ここにきてまだ私達を笑わせにかかる仕掛けが作れるものかと感動しました。メタからパロディからありとあらゆるネタをごった煮させてもちゃんとハイレベルなエンターテイメントに落とし込める福田雄一とキャスト陣の素晴らしさに拍手ですね。
私見だと堤幸彦や木村ひさしは役者にやらせてる感が強く、福田雄一は役者と一緒に楽しんでる感が強い。



2位 逃げるは恥だが役に立つ
(TBS/主演:新垣結衣星野源/原作:海野つなみ/脚本:野木亜紀子/演出:金子文紀土井裕泰石井康晴


テンポ良くドラマ独自のコミカルな演出を安くせず逆に強みにしたのはTBSのベテラン監督3人の手腕。視聴者のきっかけはガッキーの可愛さや「恋ダンス」だったとしてもこの作品が受け入れられた最大の要因は、恋愛や仕事にコンプレックスを抱えた男女をどちらの視点からも対等に、すれ違いから少しづつ発展する関係が現代の恋愛観と重なる部分が大きく共感されたことだと思います。
最終的に夫婦になっていく過程までしっかり描ききるなど、若い世代へ恋愛や結婚の背中を押したのではないでしょうか。


 

1位 重版出来!
(TBS/主演:黒木華/原作:松田奈緒子/脚本:野木亜紀子/演出:土井裕泰ほか)


黒木華のこれまでのおしとやかなイメージを逆手に取った、とにかく観てて気持ちよくなる明るさとまっすぐさがとにかく◯。「主人公に好感が持てるドラマ」は良い連続ドラマの基本中の基本です。
ここは原作がある作品のメリットですが、編集と漫画家だけの関係に留めず出版社の営業や新人漫画家・アシスタントにまで様々なバックグラウンドとストーリーを展開させたこと、それらが集約されて感動的な大団円となる最終回までとにかく非常によくできていました。


■総評
今年のテレビドラマ界における最大の特徴はこれまで負け枠だったTBS火10の大躍進です。1月クール『ダメな私に恋してください』から方向性をシフトし、最終的には『逃げ恥』が大ヒットになりました。来クールには同じ方向性を打たず坂元裕二脚本の『カルテット』を用意するなど、間違いなくTBSは火10に力を入れています。金10が毎クール日テレにジブリ祭りを仕掛けられることや、フジ火10が火9に移ったことを考えれば極めて妥当な判断といえそうです。
10作中TBSが3本、ランク的にもトップで勢いは止まりません。一方フジは相変わらず不調、特に4月クール以降は正直言ってまともな作品は1本もありませんでした。来クールのラインナップを見ても終わってますね、もはやカンテレの火9が頼みの綱となっています。テレ東はマイペースに行くとして、日テレやテレ朝が新しい仕掛けをするのも今がチャンスでしょう、新しいワクワクさせてくれるようなタイトルが生まれることを期待します。